卵子提供後の戸籍問題

不妊治療、最後の砦。

現代では、時代の変化に伴い多様な価値観を受け入れる動きが広がっています。親子関係も、昔ながらの父1人母1人そして子供といったステレオタイプに当てはまらないことも多くあります。そこで近年話題の、「卵子提供」という言葉を耳にしたことはありますか。「卵子提供」とは、自分の卵子ではなく他人から卵子の提供を受け、妊娠・出産することをいいます。 日本では晩婚化が進み、高齢により自然妊娠が難しい夫婦が増加しています。不妊治療をしたがもう望みがない。夫婦2人ではもう解決できない。そのような状況でも第3者の卵子の提供を受けると、高い確率で出産できるのです。もちろん、第3者から提供を受けた卵子と夫の精子を受精させるため、妻の遺伝子は受け継がれませんし、大量出血を起こすなどリスクもあります。しかし、それでも子供を授かるために踏み切る夫婦が増えています。

提供した人、産んだ人。誰が親?

それでは、卵子提供によって生まれた子供の戸籍はどうなるのでしょうか。子にとっての母は卵子を提供し遺伝子の繋がりがある人なのか、それとも最終的にお腹を痛めて産んだ人なのか。答えは後者です。現在の日本では分娩した人が母となり、卵子提供者は母とはなれないのです。もし、卵子提供者が母になるのであれば特別養子縁組を行う必要があります。 日本の民法は、現代の進んだ出産形態に対応が出来ていません。現在の解釈としては、子を分娩した女性をその子の母とすることとなっています。一般的に、卵子提供による出産は子を授かれない夫婦が行うものなので、現在の解釈でも問題は少ないかもしれません。しかし、これからますます出産の形は変わりゆくと思われます。誰もが安心して踏み切れるよう、法律も新しく対応をしてほしいですよね。